タマボール大作戦

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「私家版」

ず~っとイギリス映画と思っていたけどフランス映画だったのね。最近知りました。でも英国の香りがぷんぷん。この映画、なんかの映画を観にいった時に宣伝を観ました。正直その時はなんの興味もわかなかった。久しぶりに見たテレンス・スタンプは老けていた…という印象だけ。それから数年、ちょっとわたくしも大人になりレンタル屋さんで目新しいビデオを漁っていたところ、何故か数年前に映画館で見た宣伝の映像、360度壁全面の本棚をカメラが回転しながら写し出すシーンと本が人を殺すというフレーズを思い出し、も~れつに興味を持ったのでした。即借り。即観。物語は、テレンスの役ドコロである気品漂う編集者エドワード(”サー"の称号をお持ちです)の復讐劇。いや~こう書いちゃうと身も蓋もありませんが、おおよそ復讐劇なんて漢字からは想像できないスマートで美しい映画です。オープニング、なんともいえない異国の香りが漂う音楽が流れてきます。その後も映画全体の印象をつくり出す音楽。映画の中の美しいチュニジアを思いおこす音楽であり、英国紳士のエドワードの心を象徴するような音楽でもあります。エドワードは有能な編集マンであり、腕のたつ本の贋作家でもありました。

冒頭、友人である政治家に「アラビアのロレンスの原盤を召使いが間違ってシュレッターかけちゃったから作って~」と頼まれます。なんでそんな貴重なものシュレッターかけちゃうのよ!ありえない!いくらなんでも大事なもんそ~やな~とかわかるやん!じゃ今あるアラビアのロレンスは本物じゃないの!国家間戦争になりかねないぞ!と思いながらもエドワードはあっさり「もう贋作はやめてん。ごめんな。」と断っちゃいます。あぁ~大変だよ~偽物でもいいから存在しなくちゃまずいよぉ~、そんな心配を知ってか(いや知らないね)後々ちゃんとエドワードが作ってくれるます。ほっ。そんなとこは引っかかる必要性は皆無なんだけど(ロレンス好きなのでこの設定だけでグッ!)、少し遅れて鼻持ちならない三文作家のニコラがエドワードのオフィスに訪ねてきます。秘書が止めるのも聞かず来客中のエドワードの部屋にズカズカ入ってきて、最悪な嫌みを言って先客を追い払っちゃいます。この先客が着けてるタイとかがいかにも英国らしい。

で、エドワードは、その最悪な高慢ちきヤローの三文作家が書き上げた小説を読まされます。その小説は今までのニコラからは考えられないような文体を用いた最高傑作。エドワードは読み終わった後、鼻持ちならないその男に惜しげもなく感嘆と賛辞の言葉を送ります。そして小説の中に隠された事実に気づき、エドワードの奥底で時を止めていた愛憎の封印を解き始めたのでした。30年前に愛した美しいチュニジア女性。そして彼女を自殺に追いやった傲慢で横暴な男。静かに静かに歯車が回り始めます。パリの由緒ある出版社と、ニコラの元恋人の辛辣評論家、今は亡き1人の作家と戦争で燃えた出版社。30年前に亡くした恋人と瓜二つの女性。そして贋作私家版。全てが繋がり関係し、1人の男を追いつめてゆく様はお見事!!アメリカ復讐劇にありがちな派手な立ち回りはありません。静かで知的で、淡々とした復讐があります。

でも中年男の一途な思いってなんだか哀しいのねぇ~。テレンス・スタンプの英国哀愁に脱帽。映画中、派手なおばちゃん秘書とのジョークまじりの会話中だけ、ほんのりエドワードが幸せに見えました。
2005/4/1 ichiko
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  1. 2005/04/01(金) 21:20:30|
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